こんにちは。歯科衛生士の木下です。
みなさんは毎日の歯磨きでなんの道具を使用していますか?
今日は歯ブラシ以外の口腔清掃器具の種類や特徴についてお話ししていきます。
歯ブラシの毛先では届かない部位に使用する。歯の隙間が歯茎で覆われている時はデンタルフロスが最も効果的である。
ホルダー付きフロスやワックスタイプなど様々な種類がある。
使用方法:30〜40㎝程度引き出してカットして指に巻きつける
過剰な圧力でデンタルフロスを通過させてしまうと歯茎を傷つけてしまう可能性があるので注意が必要である。
力を加えすぎずに挿入できるくらい十分なスペースがある歯と歯の間、1番後ろの歯の奥、矯正装置の装着部やブリッジなど通常の歯ブラシでは清掃が困難な部位に使用する。
ストレートタイプ(I型)と、角度のついたアングルタイプ(L型)がある。また、ワイヤーを使用していないゴムタイプのものもある。
サイズは4S〜3Lまでなど種類があってメーカーによって異なり大きすぎると刺激により歯肉退縮が起こり、小さすぎると清掃効率が下がってしまうため使用部位にあった歯間ブラシサイズの決定が必要である。
使用方法:各部位のスペースに挿入し、前後にゆっくりと往復運動する
歯間ブラシと同じ部位や親知らずなど通常の歯ブラシでは届きずらい場所に適応する。
また、嘔吐反射がある場合も毛先が小さくなっているため奥まで磨きやすい。
使用方法:汚れを除去したい部位に毛先を当てて振動を加える。力を入れすぎないように注意する。生えかけの歯には毛先が柔らかいものを使用する。
歯茎の炎症部位や口蓋、頬粘膜、舌など口腔粘膜全体の清掃に使用する。
しなりのある毛の長さと密毛で、毛の太さは0.08m m〜0.13 m mの柔らかい毛が使われている。ハンドル部に「ソフト」「エクストラソフト」「エクストラスーパーソフト」「ウルトラソフト」などの表示がある。
口腔粘膜の清掃用品である。日常生活自立度低下や全身的な疾患により歯ブラシでの清掃が困難な場合に使用する。またスポンジブラシの使用は口腔粘膜や舌への刺激になり唾液の分泌促進にも効果がある。
使用方法:柄の先についたスポンジに水や洗口剤を含ませて湿潤させながら口腔粘膜を清拭および清掃する。スポンジブラシの水分を固く絞り清掃中に口腔内に貯蓄した汚水を吸い取らせることもできる。
このように歯ブラシ以外にも様々な器具がありそれぞれに特徴があります。自分にあったものをさがしてみてください。
何が適しているか分からない場合はお気軽にご相談ください!
みなさんこんにちは。歯科衛生士の井上です。
今日は歯周病について詳しくお話ししていきます。
歯周病といわれると歯茎が下がっていることを思い浮かべるのが一般的だと思いますが、実際歯周病はどんな状態なのか説明していきます。
歯周病は、自覚できる症状がほとんどない状態で進行している場合が多いので、silent Disease(沈黙の病気)と呼ばれています。
そんな歯周病を目視で確認してみましょう。
まず色です。色素沈着の程度や歯肉の厚さ、人種差はありますが、淡いピンク色(コーラルピンク)が健康な歯肉の色です。これが歯周病にかかってくると、歯茎に光沢が出て、濃い赤色や赤紫色、暗い赤色などさまざまな色味になってしまいます。
次は形態です。歯に近い歯肉は歯に沿って薄くナイフエッジ状に、歯と歯の間はピラミッド状になっているのが健康な状態です。しかし歯周病にかかると、歯に近い歯肉は水ぶくれしたような腫れた状態になり、歯と歯の間はクレーター状になったり腫れたりします。
次は歯肉の硬さです。歯肉は健康であれば適度の弾力性がありますが、歯周病になると、腫れたり、充血したり、うっ血したりしてぶよぶよしたような状態になります。
このように健康な歯肉と歯周病にかかっている歯肉では違いがあります。一度鏡をみて自分の歯肉を確認してみてくださいね
健康な歯肉と歯周病の歯肉についてお話ししましたが、歯周病にかからないようにする・進行しないようにするためにはみなさんのおうちでのセルフケアが大切になってきます。
まずは歯ブラシです。まず簡単にできるのは歯ブラシを当てる順番を毎回一緒にすることです。歯ブラシを行う順番を決めておくことで、磨き残しを防ぐことができます。
歯磨きの方法はいろいろありますが、その人によって1番適した方法は異なるので、歯医者に行った時はぜひ聞いてみてください
歯ブラシは大切ですが、歯ブラシだけによる口腔清掃では、歯と歯の間、ブリッジの下の部分や歯がカタカタしているところの清掃は難しいです。そんな時に何を使うかと言うと、デンタルフロスや歯間ブラシ、ワンタフトブラシなどです。
デンタルフロスは、歯と歯の間やブリッジの下の清掃に効果的です。フロスを入れるときには、あまりピンと貼らず少したるませた状態でノコギリを引くように数回動かして歯と歯の間を通過させます。デンタルフロスの使い方はやや難しいところもあるので、歯医者に来た際に聞いてみてください。
歯と歯の間が狭い場合はデンタルフロスがいいですが、歯と歯の間が大きい場合には歯間ブラシの方が効果的です。歯間ブラシにはサイズがあり、歯と歯の間に対して歯間ブラシが大きすぎたり、小さすぎたりすると汚れが取りにくくなるため、自分に合ったサイズを使うことが大切です。
このように歯ブラシだけではなく、セルフケアの方法には種類がたくさんあるので、自分に合った方法を探してみてください。わからない場合は歯医者で聞いていただければお伝えいたします。
皆さんこんにちは
えんどう歯科・矯正歯科クリニックの吉田です。
今回は不正咬合の原因についてお話していこうと思います。
まず、皆さんは不正咬合という言葉を知っていますか?
不正咬合とは、咬合異常とも言われ、歯並びや噛み合わせが悪い状態のことを指します。
不正咬合は、口元の見た目に影響するだけでなく、噛む機能などに異常を引き起こしてしまい、日常生活にも影響を及ぼしてしまいます。
そこで、みなさんは不正咬合の原因は何だと思いますか?
不正咬合には一般的原因と局所的原因があります。
一般的原因としては、
先天的原因(出生前に原因があるもの)
・遺伝
・先天異常
・歯数の異常
・歯の形態異常 があり、
後天的原因(出生後に原因があるもの)
・顎の発達異常
・外傷
・内分泌障害 がありす。
局所的原因としては、
歯数の異常、歯の形態異常
口腔習癖 があります。
そこで口腔習癖について詳しく説明していきます。
口腔習癖には、
1つ目、母指吸引癖があります。これは指しゃぶりのことです。そもそも指しゃぶりは、ヒトが生まれた時にもっている哺乳反射のことで、生後の口腔機能の発展に伴い、生後4〜5か月頃の乳児の90%近くが指しゃぶりを行っているといわれています。なので、乳児の指しゃぶりは生理的なものと考えられます。3〜4歳ころには自然に減少してきます。これ以降、指しゃぶりを続けてしまうと、上の前歯が唇側に押されてしまって上顎前突(出っ歯)になってしまう可能性があります。
2つ目は、舌突出癖です。これは上と下の前歯の間に舌の先を突き出す癖のことで、開咬(奥歯は噛んでいるけど前歯は噛んでいない状態)の原因になってしまいます。
3つ目は、口呼吸です。口呼吸をすることでお口の周りの筋肉や舌の力のバランスが変化してしまい、開咬の原因になってしまいます。
また、その他にも乳歯が早期に抜けてしまった場合や、晩期残存と呼ばれる乳歯が通常よりも長く口腔内にある場合も不正咬合になる可能性があります。そして、乳歯が虫歯になってしまった場合も不正咬合の原因になってしまうことがあります。これは、乳歯が次に生えてくる永久歯のガイドになっているからです。そのガイドを虫歯で失ってしまうと生える位置に異常を起こしてしまいます。
不正咬合の原因を明らかにして、その原因を取り除くことが出来れば不正咬合の治療にも予防にもなります。その1つの方法として矯正治療があります。
当院では、子どもの矯正と大人の矯正を行っています。不正咬合でお悩みの場合や1度見て欲しい時は矯正の無料相談も行っていますので、是非お越しください。
皆さんこんにちは、
今回は歯周病の原因の一つである外傷性修飾因子についてお話しさせていただきます。
皆さん歯周病の原因には何が挙げられると思いますか?
歯垢や歯石が蓄積する事により歯周病を引き起こすと考える人が多いのではないかと思います。
しかし、これだけではなく他にも様々な原因があります。
今回は、歯周病の原因の一つである外傷性咬合について詳しくお話しさせていただきます。
外傷性咬合とは歯の周りの組織に外部からの要因により損傷を引き起こす噛み合わせの事でブラキシズム、歯列不正、食片圧入、早期接触、側方圧、舌や口唇の悪習癖などが関与しています。
①ブラキシズム:食べ物がない状態で無意識にかつ習慣的に発生する顎の運動を行うことをいいます。ブラキシズムには、歯軋り(グラインディング)・食いしばり(クレンチング)・カチカチと音をさせる(タッピング)の3種類があります。歯や歯の周りの組織に異常に強い力が加わるため、歯周病の状態を悪化させるだけではなく、歯がすり減ってしまったり、顎関節症なども引き起こされてしまいます。
②食片圧入:歯と歯の間に食べ物が挟まると歯茎に炎症を与えるだけではなく、歯と歯の間に食渣がぎっしり詰まると、食渣による側方からの力によって、歯が同様したり移動したりする事があります。
③早期接触:上の歯と下の歯が接触する時に、特定の歯が他の歯よりも早く接触する場合のことを言います。このような歯は、他の歯に比べて強い咬合力を受けるため、歯の周りの組織に大きな影響を与えます。
④咬頭干渉:歯の山の部分(咬頭)が噛み合わせる時に邪魔な位置で当たってしまい(干渉)スムーズな噛み合わせを得てない状態をいいます。歯の周りの繊維は垂直方向の力に対しての抵抗力は強いですが、側方からの力に対しては弱いため、歯の周りの組織に損傷を起こしてしまいます。
⑤口腔習癖:歯周病患者において、舌を前歯の内側に強く押し付ける癖がある場合は、前歯が外側に押され歯が移動してしまいます。唇を噛んだり内側に吸ったりする癖も歯に異常な力がかかり歯周組織に大きな負担がかかります。
このようなに外傷性咬合を早期に発見し、咬合性外傷(歯や歯を支える歯茎や骨などの周囲の組織、そして、歯が埋まっている顎の骨の付け根である顎関節などに様々な外傷を引き起こす事)にならないようにする事が大切です。そのためには、定期的に歯科医院に受診して、クリーニングだけではなく噛み合わせに問題がないかチェックする事が大切になります。
<質 問>
娘の出っ歯が気になっています。ほかの部分の歯並びは問題なさそうですが、いつごろ歯列矯正(自費診療)するのがいいでしょうか。
<解答>
矯正治療には2種類あります。お子さんの年齢によって治療方法が変わってきます。①大人の矯正治療(小学校高学年から)②子供の矯正治療があります。(小学校低学年から)①の矯正治療は歯の表面に金属またはセラミックの四角装置(ブラケット)とワイヤーで治療していく方法です②の矯正治療は歯の生え変わりと顎の成長を利用して並べていく方法です。夜寝る時に使用する取り外しの装置や①のようにブラケットを使用しないで歯の裏側にワイヤーをつけて矯正治療をします。最近は①、②の治療に対応しているマウスピース型矯正装置もあります。ご相談の出っ歯の治療は上の前歯を後ろに下げます。歯は上下でかみ合っていますので上の前歯を後ろに下げるには下の前歯を後ろに下げないと上の歯が後ろに下がりません。矯正治療は上下セットの治療と考えて頂くとよいと思います。また、歯の問題と上顎骨・下顎骨の骨のバランスも大切な要素になりまので治療前の診査・診断が大切になりますのでかかりつけの歯科医院や専門医に相談されてはいかかでしょうか?
みなさんこんにちは、今月の歯の豆知識を担当させていただきます。渡邉です
よろしくお願いします。
最近来院される患者さまに、
「口内炎かどうか気になる」
「口内炎がいくつかできてるけど大丈夫?」
など、歯や歯ぐき以外のことで気になって来られる方が増えました。
そこで今月は 口内炎 をテーマにさせていただきます
Qそもそも口内炎って何?
A口内炎とは、口の中や唇、舌の粘膜に炎症が生じ、水疱やびらん(ただれ)、潰瘍などの病変を指します。
Q原因は?
Aストレスや栄養不足などによる免疫力低下や、口の中を噛んでしまうなどの物理的刺激、ウイルスなどによる感染が考えられるほか、原因不明なものもあります。
口内炎にもいくつか種類があります。一般的にもっとも多くみられるのが「アフタ性口内炎(潰瘍性口内炎)」です。
原因ははっきりわかっていませんが、ストレスや疲れによる免疫力の低下、睡眠不足、栄養不足(ビタミンB2)などが考えられます。
赤く縁取られた2~10㎜程度の丸くて白い潰瘍ができます。普通は1~2週間くらいで自然に治ります。
次に「カタル性口内炎」です。これは入れ歯や矯正器具が接触したり、粘膜を噛んでしまったところに細菌が繁殖した。あとはやけどや薬品による刺激が原因とされます。
矯正装置や入れ歯を調整して慢性的な物理的刺激を取り除くことで症状の改善がみられます。
次は「ウイルス性口内炎」です。単純ヘルペスウイルスによる感染、もともと口の中にいるカンジダ菌(真菌)が、免疫力が低下して増殖して発症するものなどがあります。
ウイルス性口内炎は多発性口内炎ともいい、口の粘膜に多くの水疱ができ、それが破れてびらんを生じて、発熱や強い痛みが生じることがあります。
その他の口内炎として、特定の食べ物や薬物、金属が刺激となってアレルギー反応を起こす「アレルギー性口内炎」、喫煙が原因の「ニコチン性口内炎」などがあります。
口内炎かどうかは見た目と症状、経過などから比較的簡単に診断することができます。でも、それがどのような原因で口内炎ができたかを調べるには、それぞれの原因に合わせた検査が必要になります。たとえばウイルスが疑われる場合は血液検査、細菌や真菌が疑われる場合は組織培養検査などがあります。
口内炎の治療はその原因によって異なります。
当院ではアフタ性口内炎には塗薬を処方したり、患部にレーザーを照射して痛みを取り除くこともできます。カタル性口内炎は物理的刺激を取り除かなければ症状が改善することはありません。痛みを我慢して矯正器具や入れ歯を使い続けるのではなく、教えていただければ調整して痛みを取り除くことができます。その他の口内炎に関しては、それぞれの検査が可能な口腔外科を紹介させていただくことができます。
口内炎かな?痛いな。なかなかな良くならないな。など痛みや不安を抱えているのではなく、早めに相談にきてください。来院をお待ちしてます。
小学4年の息子の歯列矯正(自費診療)を検討しているのですが、中学受験も予定しており、通院や治療の痛みが受験の妨げにならないか心配です。中学進学後に治療を開始した方がいいでしょうか
矯正治療中の痛みに関してのご質問ですが矯正治療にはどうしても歯を動かすために矯正力を加えますので痛みが生じやすいです。痛みの感じ方には個人差がありますので一概に痛みが出る・出ないと言うことは出来ませんが歯を動かすのに加える力は数グラムから大きくて300グラム程度でそれほど大きな力をかけるわけではありません。また、痛みの持続期間ですが治療させて頂いた次の日がピークで1週間以内にはほとんど無くなります。
矯正を始める時期ですが矯正治療には子供の矯正治療と大人の矯正があります。子供の矯正は乳歯から永久歯の歯の生え変わりと顎の成長を利用して歯を並べる治療法です。大人の矯正は萌出した永久歯を動かす治療になります。小学4年生は子供の矯正治療になります。中学生は大人の矯正治療になる場合があります。どちらから開始したら良いのかは、かかりつけの歯科医院に相談されると良いと思います。
みなさん、こんにちは。今月の豆知識を担当させていただきます、舟渡です。
よろしくお願いします。
2024年ももう3ヶ月が経ちました。もう1年の4分の1が終わってしまいました。
月日が経つのは早いなと感じています。
今日は歯周病と喫煙の関係についてお話させていただきたいと思います。
まず歯周病とは何かというお話をさせていただきます。
歯周病は端的に言うと「歯垢の攻撃力」と「歯茎の抵抗力」の力関係で発症するかどうかが決まります。プラークの攻撃力が高まり、歯茎の抵抗力とのバランスが崩れたときに発症するのです。
天びんで例えてみましょう。
天びんの左の皿にある「歯茎の抵抗力」の皿には元々たくさんのコインが乗っているのですが、
不十分な歯みがき、加齢や肥満・病気、疲労やストレスなどによる免疫力の低下、喫煙等によって
コインは減っていきます。
一方、右にある「歯垢の攻撃力」の皿には、長期間みがき残された歯垢の成熟、歯茎からの出血による歯周病菌の増加、喫煙による歯垢の硬化などでコインが増えていきます。
その結果、「歯垢の攻撃力」の皿の方のコインが多くなったとき、天びんが傾き、歯周病が発症します。
それでは、喫煙と歯周病についてもみていきましょう。喫煙は歯周病こ非常に大きいリスク要因です 。
タバコの煙には以下のような作用があります。
→タバコの煙に含まれるニコチンが血管を収縮させます。そうすると血液と共にやってくるはずの栄養分と酸素が歯茎に届かなくなります。
→細菌を食べてくれる白血球などの免疫細胞の働きもタバコの煙に含まれる化学物質の
作用で弱まります。
→赤血球は通常、その中に存在するとヘモグロビンに酸素をくっつけて運びます。
しかし、タバコの煙に含まれる一酸化炭素は酸素を剥がしてヘモグロビンに強く付着して
しまいます。
→タバコの煙に含まれる化学物質は、歯周病菌をはじめとした悪玉菌の大好物です。
これらの菌の病原性を高め、プラークの攻撃力も高めます。
→タバコの煙に含まれる化学物質はプラークを硬く歯に付着させます。
そのため、歯磨きをしても落ちにくくなります。
タバコは歯周病の進行を速めます。初診患者様の喫煙状況と歯周病の進行度を比較したところ、中等度・重度歯周病の方の割合が、30代の喫煙者と40代の非喫煙者では同じくらいとなりました。また、40代の喫煙者と50代の非喫煙者、50代の喫煙者と60代の非喫煙者でも近い割合でした。つまり、「タバコを吸っている人は、吸わない人よりも10年歯周病の進行が速くなる」のです。
歯周病を予防するにはタバコをやめるのが1番の近道という事です。
こんにちは。歯科医師の大森です。
皆さんは息をしている時、鼻で呼吸していますか。口で呼吸していますか。
無意識に口で呼吸している方、寝ている間は口呼吸になってしまっている方、今回はなぜ口呼吸があまり良くないと言われているのかについてお話しします。
口呼吸とはその名の通り口から息を吸い込むことです。
なぜ口呼吸になってしまうのか原因は様々ですが、顔・顎周りの骨格、筋肉、環境、鼻詰まり、癖などがあります。
口呼吸による歯への影響として、まず一つ目に口腔の乾燥により唾液がすぐに乾燥してしまいます。朝起きた時に口の中がカピカピになったり、咳が出たり、喉が痛くなったりそういった症状がでる方も多いのではないでしょうか。
なぜ唾液が少なくなると歯にも影響が出てしまうのでしょうか。
唾液の役割はたくさんあり、歯の再石灰化を促したり外から入った細菌や異物を洗い流し、細菌の繁殖を防ぐ役割や、酸の中和、口臭の予防などあります。なので口呼吸で唾液が少なくなってしまうと虫歯や歯周病のリスクが高まったり口臭がしてしまったりします。
二つ目の影響として口が開いた状態では顎の骨や筋肉の成長を促せず歯が並ぶためのスペースが狭くなってしまいます。そうなると歯並びも悪くなってしまいます。
また口呼吸だと本来は上の顎、上の前歯の付け根あたりに置くのが正しいですが、舌の位置が下に下がってしまうため舌周りの筋肉の衰えにより頬、唇、舌によるバランスが崩れてしまいます。
そして舌を鍛える筋肉も衰え口元のたるみ、二重顎の原因にもなります。
三つ目として口を開けて寝ていると舌が気道に落ちやすく気道が狭くなってしまいます。そうなるといびき、呼吸障害、睡眠時無呼吸症候群、途中で起きてしまうなど健康にも被害を引き起こします。
四つ目は風邪をひきやすくなります。
鼻呼吸だと鼻毛や鼻の粘膜がウイルスの侵入を防ぎますが、口呼吸だとそのまま空気中の細菌が身体の中に入りやすくなるため感染症にかかりやすくなる恐れがあります。
様々な影響を述べましたが、口呼吸は無意識にしてしまうことが多く友達や両親から指摘されて気づくことがあります。口呼吸の原因は様々ですぐに治る訳ではなく、日々意識することが大切です。
口呼吸をやめるだけで、虫歯、歯周病、口臭、歯並び、たるみ、呼吸障害などたくさんのリスクから自分を守ることができます。
歯磨きも大切ですが鼻呼吸も意識して健康な日々を過ごしましょう。
こんにちは。遠藤奈穂です。
今日のテーマは難しそうな感じに仕上がっていますが、実はそんな事はなく、皆様の周りによくあるテーマで、最近そのことを患者様から聞かれることが多くなった事、また、当院の定期検診の際に行う歯肉マッサージのオイルや、ペーストがハーブであり、歯周病菌の制菌作用が
素晴らしいものであること。合成化学物質ではない事がこのテーマになるきっかけでした。
・歯周病とは
この答えは今までにも沢山、歯周病についてのテーマでのこの歯の豆知識があると思いますので、ご存じない方、または復習されたい方は、バックナンバーをご覧ください。
・全身の症状と歯周病の関係について
機序と致しましては、テレビ番組やネットでご存知かと思いますが、最後のお答えに関係しますので、もう一度確認しておきます。
歯周病菌(*)が関係し、引き起こされるという疾病は
①糖尿病
歯周病の病巣から放出される物質(*)が血糖値を下げるインスリンの働きを悪くし、糖尿病が悪化しやすい事がわかっています。また、糖尿病があると、歯周組織の抵抗力や口腔内の自浄作用が低下するため、歯周病が重症化しやすく歯周病と糖尿病は相互に影響し合う関係にあります。(*)
②心臓・脳・血管の病気
血管内に歯周病菌を含むプラーク(歯垢)ができて、血液の流れが悪くなり、動脈硬化を悪化させます。プラークが剥がれると血管を詰まらせ、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などの発症リスクが高まります。歯周病を持つ人は脳梗塞のリスクが2.8倍になると言われています。歯周病の人の割合は歯科疾患実態調査(厚生労働省)によると、中程度以上の歯周病の人(歯周ポケット3ミリから4ミリ以上)の割合は45歳を超えると過半数を占めるようになると言う事です。初期の歯周病をの人を含めると成人の3人に2人は歯周病と言われています。
③早産(低出生体重児)
妊娠している女性が歯周病が中程度以上に罹患していると低出生体重児や、早産のリスクが高くなります。歯周病菌が血中に入り、胎盤を通して胎児に感染するのでは?と考えられており、そのリスクは歯周病が進行していない方に比べて7倍に上ります。
④誤嚥性肺炎
細菌が食べ物や唾液と一緒に気管や肺に入ると、肺炎を起こすリスクが高まります。
高齢者に多いこの疾患は死亡の原因にもなります。
これらだけではなく、呼吸器疾患や、関節リウマチ、骨粗鬆症、がん、アルツハイマー型認知症など、様々な疾患と、歯周病との関連が報告されています。
こうした疾患を日々防ぐためにも歯周病ケアはとても大切な要素です。
歯周疾患と言いましても皆様が日常口腔内に持っている歯周病菌です。悪いことをしない菌(*)がほとんどなのですが、歯周病が進んでしまう方は悪い歯周病菌(*)が多いのと、
日々の生活習慣が引き金になってきます。
・正しい歯磨き
・禁煙
・定期的な歯科検診
・食生活の見直し
・口呼吸の改善
・適度の運動や睡眠で、抵抗力を落とさない。
等々
これらのことが悪い菌を呼び起こし、増大させてしまいます。
ところで、世界の歴史的にも見ていきましょう。
まだ今のように科学の発達していない時代で、化学的な薬剤がない状態でどう言う工夫をされていたのか?と申しますと
例えば・・・
日本の場合
・クロモジ・・・クスノキ科のクロモジは、日本固有種の香木の代表格です。その精油部分には
強い抗菌作用、抗ウィルス作用があります。現代では「黒文字」として、茶菓子
などに添えられる高級楊枝の代名詞になっていますが、江戸時代にはクロモジ
の木の一端を小槌で叩き、梳かして繊維状にした「房楊枝」が歯ブラシとして
使われていました。
今考えたら、天然の抗菌作用のある歯ブラシで歯を磨く、素晴らしい知恵です
よね。
・ドクダミ・・・葉にはフラボノイド系成分が含まれ、血行促進・消炎作用などがあります。
民間療法では、陰干したドクダミの葉を塩水で洗い、歯肉と頬や唇の粘膜に挟
み、寝ると歯肉が引き締まり、痛みも治ると言われていたそうです。
今考えたら、最初に行われた方、すごいですよね。
ギリシャの場合
・マスティハ(マスティック)・・・世界でギリシャ、ヒオス島のみで体系的に生産されている
木の天然樹脂で、人類初の天然チューイングガムと言われています。
抗菌、抗ウィルス、抗炎症作用、皮膚再生効果があり、口臭、虫歯、歯周病の
予防の他、エイジングケアや、肌トラブルの改善などの目的でも紀元前から重要
されてきたそうです。
インドの場合
・ニーム・・・古代からインドではニームという木を使って歯磨きしてきました。ニームは抗炎症
作用が高く、ニームの枝を噛んで歯を清掃する方法は現在もインドやアフリカの
一部で行われています。
インドで生まれた歯磨きの習慣は仏教の伝搬とともに、中国、韓国、そして、日
本へと伝えられたと言われています。
では、現在、歯磨剤や、マウスウォッシュなど口腔ケアでの有名なハーブは何かというと、
・カレンデュラ
・ローズ
・クローブ
・カモミール
・エキナセア
・セージ
・ペパーミント
・タイム
・カルダモン
・アロエベラ
・ミルラ
・フェンネル
・クロモジ
・ココナッツオイル
等々・・・
などが代表格であげられます。
これらをうまく配合して歯磨剤やマウスウォッシュなどに利用したものもあります。
食物の天然成分で制菌作用や、鎮痛、抗炎症作用を利用したものです。
ただ、天然のものではあるので、一見、体に無害なように思われがちですが、
皆、医学的に薬に用いられる程の薬効成分や、強さを持ちます。
ネットで調べられてご使用される方も患者様の中にはいらっしゃるようです。
濃度が濃いと、大変なことになるのと、副作用が出てくるものもあります。大変なことになる場合もありますので、ご使用の際には専門の方に聞いていただき、十分ご注意ください。
私はヨガのインストラクターもやっておりますので、
インドの伝統医学、アーユルヴェーダからも、実は沢山の情報があります。
決して悪いわけではありません。良いことも沢山あるのですが、今の生活状況や、環境など、それぞれのお口の中の状態も含め、
ご使用されたい場合は、資格を持った専門家に一度ご相談ください。
皆様、今、当院でのお薬の投薬状況にも今の社会情勢が影響してきております。
以前でしたら、投薬できていたお薬が今は手に入らなくなってきております。
それから考えましても、
まずは、体の抵抗力を高めた生活づくりをまず行っていきませんか?
そして、定期検診に来ていただき、虫歯、歯周病を早期発見できるようにしていきましょう。
(*)・・バックナンバーをご覧ください。