歯に詰め物やかぶせ物をしたり、入れ歯(義歯)を入れたりする治療のことを、専門用語で「補綴治療」といいます。歯の一部がかけてそのまま放置しておくと、やがて歯が死んでしまい、ボロボロになって抜かなければならなくなります。また、一本でも歯がなくなったままにしておくと、口腔内全体に問題が起きてきます。そこで、補綴治療をすることが大切になってきます。
初期の虫歯(C1~C2)であれば虫歯を削って詰め物をします。虫歯の後期(C3)の段階になると病巣は神経(歯髄)にまで達しています。治療はクラウンという大きなかぶせ物をします。これが神経(歯髄)を抜いて根の治療(根管治療)をすることになると、さらに時間がかかります。
治療のステップは次のようになります。まず病巣部分を完全に削り取り、次に根管(神経が入っている管)の長さを正確に測定し、根管を細い治療用の針で広げ、清掃していきます。それが終わったら、防腐剤や殺菌剤をしっかり根の先まで充填して根管を完全に密閉します。
菌に侵された神経と根管は汚れているので、針のような清掃器具で掻きだすように管の壁を掃除し、消毒薬で消毒するという作業を数日にわたって繰り返す必要があります。根の先が膿んでいれば消毒の時間はさらに長くかかります。根管治療は地道にコツコツとやらなければならないので、どうしても時間がかかります。
神経は完全に取りきらないと再発してしまいます。根管治療は最初が肝心です。最初の治療がうまくいかずに再感染などを起こすと、治療の成功率は低くなります。ですから、かぶせ物をするまでにしっかり時間をかけて処置しなければなりません。