悪い歯並びや不正咬合の原因には、先天的なものと後天的なものがあります。
先天的な原因は親から譲り受けるもので、歯の大きさや数、形、あごの大きさや形などが似てきます。これらは予防することはできません。遺伝的な要素の強い不正咬合には、歯の生え方だけでなく、あごの骨格が関係していることが多く、骨格異常が強い場合は、外科的手術が必要になるケースもあります。
後天的な原因としては、口呼吸、指しゃぶり、くちびるや爪を噛む癖、片側の歯だけで噛む癖、乳歯の虫歯や欠損、軟らかいものばかり食べる食習慣などがあります。これらが原因の不正咬合は予防できます。
実際には、歯並びと噛み合わせは、こうした先天的な原因と後天的な原因が、複雑に影響し合ってできあがっています。遺伝だからとあきらめていた不正咬合も、実際には癖や習慣など後天的な原因で起こっていることも多く、あごの発育を修正したり、癖を正すトレーニングによって不正咬合が予防できる場合も少なくありません。
矯正治療を行うのが難しいケースもあります、たとえば、保護者が矯正治療を望んでもお子さん自信が矯正治療を拒絶された場合です。しかし、専門医から不正咬合や矯正治療についての正しい情報を説明されることで、積極的に矯正治療を始める子もいます。矯正治療は本人の協力度が成否の鍵をにぎっています。最初のカウンセリングはとても大切なので、保護者の協力が不可欠です。