入れ歯を作ったら一生もつと思っている方もいるようですが、決してそんなことはありません。では、入れ歯の耐用年数はどのくらいなのでしょうか。

 

これは一概に何年とはいえません。ここの患者さんで口の中の状態が違いますし、いればの設計にも個人差があるからです。

 

入れ歯を長期間使っていると、人工歯がすり減って、噛み合わせが均等でなくなったり、歳とともに歯槽骨が吸収されて入れ歯が合わなくなったりすることもあります。部分入れ歯では、クラスプをかけている歯に負担がかかって虫歯や歯周病になると、入れ歯が長持ちしなくなります。とくに、手入れの仕方によっては寿命を大幅に短くしてしまいます。

 

入れ歯を常に口の中に入れたままにしていると、食べ物のカスや歯石などが入れ歯に付着してトラブルの元になります。入れ歯を長持ちさせるには、こまめな手入れが必要です。食事の後は必ず外してきれいに洗わなければなりません。部分入れ歯のバネのかかっている歯はとくに汚れやすいので、寿命が短くなりがちです。入れ歯用のブラシを使って、丹念にブラッシングしてください。通常は水洗いでもかまいませんが、頑固な汚れがあるときは洗浄剤を使います。歯磨き粉には研磨剤が入っているので、入れ歯を傷つけてしまうこともありますから、入れ歯専用の磨き剤を使用してください。とくにプラスチックの部分には菌が住みつきやすく、においの原因にもなるので、なるべくこまめに洗うようにしたいものです。

 

寝る前にも必ず入れ歯は外しましょう。就寝時は唾液の分泌量が減るので、入れたままにしておくと汚れがつきやすくなり、入れ歯が長持ちしません。外した入れ歯をそのまま放置しておくと、乾燥して入れ歯が変形したり、ひびが入ったりします。きれいに磨いて入れ歯洗浄剤に浸けて保管します。