最近、某テレビ番組で塗り薬(ペースト)を一回塗るだけで、虫歯が治る治療法があると紹介されました。これはイギリスの科学誌「ネイチャー」で発表された「エナメル質再生法」という治療法で、まだ痛みのない極めて初期の虫歯を治す効果があるといわれ、注目されています。
虫歯は虫歯菌が口の中を酸性にしてエナメル質を溶かすことから始まります。
このペーストはアパタイトと強い酸の溶液を混ぜたもので、これを傷ついたエナメル質部分に塗ると、歯の表面で本物と同じ人工のエナメル質の結晶をさせいさせることができるそうです。ただし、この治療法はまだ厚生労働省の認可を得ていないので、一般の歯科では行われていません。
歯を削らなくてもいい、痛みもない、そんな虫歯治療があれば夢のような話ですが、残念ながら現段階では、虫歯の菌に対する塗り薬や飲み薬は開発の途上にあるというのが実情です。
また、最近では虫歯にレーザー治療を使う試みもなされています。虫歯を削るときにガスレーザー光を照射すると、象牙質が軟らかくなって取り除きやすくなり、しかも痛みもほとんどありません。